まだソフトバンクを使っていた頃の話です。ちょうど、電力の小売りが自由化されて、どの電力会社を選んでもいい、という時期でした。
窓口で、店員さんにこう言われました。「ソフトバンクでんきに変えていただければ、電気料金がお安くなりますよ」と。
それは魅力的だ、と思いました。電気の明細が必要だというので、後日わざわざ持っていって、その場で計算してもらいました。
結果、私の場合、年間で、およそー100円・・・・・・・・
……往復のガソリン代のほうが、高いやないか。
店員さんは嘘をついたわけではありません。確かに「安く」はなりました。ただ、私はもともと電気をあまり使わないので、割引の効果もそのぶん小さかった、というだけの話です。
当時、正式にどういう制度で案内されたのかは、正直もう覚えていません。電力自由化が始まったばかりの頃だったので、今にして思えば、契約を囲い込むための営業の一環だったのだろうと思います。
この経験で、私はあらためて思いました。「お得です」という言葉は、自分の場合はいくらになるのかを確かめて、はじめて意味を持つのだと。
そこで今回、あらためて「スマホと電気をまとめるとお得」と言われる仕組みについて、現在の制度を調べ直してみました。契約する前に知っておきたい注意点をお伝えします。
この記事でわかること
- スマホと電気をまとめる「でんきセット割」の仕組み(現行制度)
- ワイモバイルの場合、光セットと併用できないという注意点
- 割引が受けられるのは「1回線分だけ」という落とし穴
- 結局、どんな人なら得をするのか
今の「でんきセット割」とは
スマホや自宅のインターネットを契約している会社で、電気もまとめて契約すると、毎月いくらか割引が受けられる——これが「でんきセット割」です。ソフトバンクの場合は「おうち割 でんきセット」という名前で、現在も提供されています。
「まとめれば、そのぶんお得になる」というのは、一見すると分かりやすい話です。ですが、ここにいくつかの条件が隠れています。
落とし穴①:ワイモバイルは、光セットと併用できない
まず、一番間違えやすいところです。
ソフトバンク(本家)の場合は、「おうち割 光セット」と「おうち割 でんきセット」の両方を、併用できます。スマホ+ネットの割引に、電気の割引も上乗せされる形です。
ところが、ワイモバイルの場合は、これが併用できません。
| 契約している会社 | 光セットとでんきセットの併用 |
|---|---|
| ソフトバンク(本家) | 併用できる(両方の割引が受けられる) |
| ワイモバイル | 併用できない(割引額の大きい方だけが適用される) |
つまり、ワイモバイルを使っている方が「電気もまとめれば、もっと安くなる」と思って申し込んでも、もともと受けていた光セットの割引と入れ替わるだけで、上乗せにはならないことがあるのです。
落とし穴②:割引は「1回線分だけ」
もう一つ、見落としやすいのが割引の対象範囲です。
「でんきセット」の割引は、電気1契約につき、スマホやネット回線1つ分だけにしか適用されません。
ご家族4人がそれぞれスマホを持っていても、割引が効くのは1回線分だけ。「家族みんなのスマホが、電気とのセットで安くなる」わけではない、ということです。
結局、どんな人なら得をするのか
ここまで注意点を並べましたが、でんきセットが「損」だと言いたいわけではありません。人によっては、きちんと得をします。
- 電気をそれなりに使う家庭 — 使用量が多いほど、割引額も大きくなります。私のように使用量が少ないと、割引もわずかです
- ソフトバンク(本家)を使っている — 光セットとの併用ができるため、割引が上乗せになります
- すでにそのエリアで電気を選べる — 電力会社の切り替えに抵抗がない
逆に、ワイモバイルユーザーで、電気の使用量も少ないという方は、私と同じで、あまり効果を感じられないかもしれません。
大切なのは
「お得です」と言われたら、その場で「私の場合、具体的にいくら安くなりますか?」と聞いてみてください。電気の明細を見せれば、その場で計算してもらえます。年間100円なのか、年間1万円なのかで、判断はまったく変わります。
