「お宅の場所は、光回線の工事ができません」
戸建てなら自由に光回線を引けると思っていたのに、申し込んだらそう言われてしまった。実は、戸建てにはそういうケースがあります。
この記事では、なぜ工事ができないと言われたのか、その理由と、そんな時に選べる代わりの手段を、費用の正直なところも含めてお伝えします。
この記事でわかること
- 光回線が「工事できません」と言われる本当の理由
- 光がダメな時の選択肢①:ケーブルテレビ(CATV)
- 携帯の電波が届くなら:テザリング・ホームルーター
- それでもダメな本当の僻地の切り札:スターリンク
なぜ「工事できません」と言われるのか
電気は届いているのに、なぜインターネットは届かないのか。不思議に思う方も多いと思います。実は、ここには電気と光回線の決定的な違いがあります。
電柱が遠いくらいで断られるなんて、電気はちゃんと来てるのに変じゃない?
電話の回線(アナログ回線)には、NTTに「提供義務」という法律上の義務があり、どんな場所でも基本的にNTT負担で設置されます。電気も同様に、電力会社が届ける公共インフラです。
ところが、光回線には、その提供義務がありません。あくまで民間企業が「採算が合うかどうか」で判断する、通常のサービスの一つなのです。
加えて、物理的な理由もあります。光ファイバーは電柱から家まで空中に張る「架空配線」が基本ですが、距離が長くなるほど、台風などで切れるリスクが高まります。目安として30mを超えると、断られることがあります。
| ケース | どういう状況か |
|---|---|
| サービスエリア外 | 過疎地・離島・山間部など、そもそも光回線が来ていない地域 |
| 電柱から遠い | 架空配線の距離が長くなりすぎ、断線リスクから断られる(目安30m) |
| 外壁に穴を開けられない | 既存の配管が使えず、建物の構造や規制で外壁工事ができない |
| 許可・空き回線がない | 電柱・敷地の使用許可が下りない、地域設備の空きがない |
出典:NTT東日本・各光回線事業者の公式解説を基に作成、2026年7月確認
どうしても光が欲しい場合、自分の敷地に新しい電柱を自費で建てるという方法もありますが、費用は10万~30万円ほどかかります。現実的には、次の選択肢を検討したほうがよいケースが多いでしょう。
光がダメなら:ケーブルテレビ(CATV)という選択肢
光回線が引けない地域でも、テレビ視聴用のケーブルがすでに来ている山間部や郊外なら、ケーブルテレビ(CATV)のインターネットが使えることがあります。
CATVは、地域の中継地点までは光ファイバー、そこから各家庭までをテレビ用の同軸ケーブルでつなぐ「ハイブリッド方式」です。各家庭までを電気信号で送るため、速度は光回線より劣る傾向があります。
有線で引き込むぶん、電波を使うホームルーターより安定して使えている
- 向いている人:光が引けない地域で、有線の安定性がほしい人。テレビもまとめて契約したい人
- 向いていない人:インターネット目的だけの人(光が引ける地域なら、光のほうが割安なことが多い)
加入できるCATV事業者は地域ごとに決まっているため、お住まいの地域でどこが使えるかを確認する必要があります。
有線がダメでも、携帯の電波が届くなら
光もケーブルテレビも無理。それでも、携帯電話の電波(4G・5G)さえ届いていれば、まだ選択肢は残っています。スマホのテザリングや、楽天モバイルの固定回線化・SoftBank Airのようなホームルーターは、どれも仕組みは同じで、基地局の電波を使ってネットに繋ぐ方法です。
工事不要でコンセントに挿すだけ、あるいはスマホ1台で使えるお手軽さがある一方、電波状況によって速度が変わる点は、有線とは違うところです。
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携帯の電波すら届かないなら:スターリンク
光もケーブルテレビもテザリングも、すべてダメ。そんな本当の僻地・離島でも使えるのが、スターリンク(Starlink)です。人工衛星を使ってインターネットにつなぐ仕組みで、上空さえ開けていれば、地上の回線が一切ない場所でも高速通信ができます。
ただし、ここは正直にお伝えします。スターリンクは「安いから選ぶ」ものではありません。
| 項目 | 目安(2026年時点) |
|---|---|
| 月額料金 | おおむね4,600円~(プランによる) |
| アンテナ代(初期費用) | 3万円台~4万円台 |
| 強み | 地上の回線が一切ない場所でも使える |
料金は変動します。契約前に必ずスターリンク公式サイトで最新の料金をご確認ください。(2026年7月時点の目安)
初期費用のアンテナ代がかかり、月額も格安ではありません。「他に手段がない場所での切り札」と考えるのが正しい位置づけです。
※auやソフトバンクにも「スターリンク」を使ったサービスがありますが、これは家のネットを賄うものではなく、スマホ自体が圏外でも衛星と直接通信し、メッセージなどをやり取りするための仕組みです。プラチナバンドで頑張って届かせる、そのさらに向こう側の話だと考えると分かりやすいと思います。
まとめ:あなたの家の「適正」を選ぶ
戸建てで光回線が引けなくても、道が閉ざされたわけではありません。
- テレビ用ケーブルが来ているなら → ケーブルテレビ
- 携帯の電波が届くなら → テザリング・ホームルーター
- 本当に何も届かない僻地なら → スターリンク
人によって、環境によって、ベストは違います。あなたの家の状況に合った「適正」な一つを、落ち着いて選んでいただければと思います。
